戦時中のお嬢様
最近、何を見聞きしても他人事に思える
どんな凄惨な事件が起こっても心が痛まない
僕は人間の心を失ってしまったのだろうか
☆☆☆
子供のころ祖父母に聞いた戦争体験談
「そうねぇ、お金はあったけど買う物がなかったくらいかねぇ」
とまるで他人事
それでも町内の神社で芋の配給があった時はバケツや洗面器を一人一つずつ持って家族総出で並んだそうです
祖母は芋が次々とスコップで配られるのをみて
「やあねえ、食べ物を粗末にして」と憤慨
娘(僕の母)に「お百姓さんだってそうしてますよ」
となだめられても釈然としないご様子
「やあねえ、お嬢様育ちは」
といってた母も田舎の民宿でスイカをだされた折、スプーンを所望して白い目で見られたことがある
祖父はといえば若い頃はイケメンだったらしい
従軍するもすぐ復員して間もなく見事な「つるっ禿げ」になった
戦地でマラリアに罹ったからだという
町内きってのイケメンに嫁入りしただけに祖母はさぞかし落胆しただろう
でも、お国のために戦ってのことだから仕方ない
やがて時は経て息子(僕の叔父)や孫(僕の従兄弟)までも30代で見事なつるっ禿げに
僕に遺伝しなくてよかった~
いやいや
もしそれを見たら祖母はどう思っただろうか
もしあの時見上げた空にB29が飛んでたらどう思っただろうか
聞いてみたかったが今は墓の下
画像は祖父からもらったもの
さらに先代からの遺品だけど「誰でも貰えたゴミ」だと、あっさり僕にくれた
貴方にも他人事だったのですね
それとも黙して語らずか