破綻しているルール
個人の判断の範疇なら簡単に回避できるリスクでも集団になるとそれが難しくなる
回避するどころか破滅にむかって猛然と突き進んでしまうことさえある
かつて日本が戦争に突き進んだように
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僕の会社は小売業で自分の担当だけでも毎日二千枚もの仕入伝票が飛び交います
ミスがあり伝票を訂正しなければならない時もありますが、過去にさかのぼって訂正するには報告書を作成しなければならないルールも会社にはあります
そんなとき僕は担当者に詳細を尋ねるのです
当人のミスであれば心当たりもあるし報告書を作ることも納得してくれます
ただ取引先のミスである場合は事務処理の一環として何事も無かったかのように報告書もなく伝票を訂正してしまいます
もちろんコンプライアンス上の問題は残ります
たとえ取引先のミスだとしても突き詰めれば担当者がチェックを怠ってたことになるので
でも担当者の預かり知らぬところで日々発生するミスを根掘り葉掘り調べて報告書なんか作ってたら本来の仕事ができません
そもそもこのルールは最初から破綻しているのです
適当な件数の報告書があれば監査人は満足するし、そこは大人の判断というもの
むしろ何とか取引先のミスがなくなる方法はないかと考える毎日
小売業とは所詮モノを右から左へ動かしているに過ぎません
売り上げが頭打ちになってリストラしたら一時的な効果はあったけど、それ以降は仮説も出尽くしたし議論もし尽くした
打ち出されるのは不毛なルールばかり
破滅に向かうときはこんなものなのでしょうか
最近AIが人間から仕事を奪うという記事をよく目にします
なんだかこれから就職や転職する人達を煽っているようにも見えます
「低能者に明日はない」とね
僕の会社もそれなりに電子化してはいるものの、品物を受け取るのはまだ人間です
中身をあらため所定の場所に陳列し乱れがあれば整頓、清掃もするし接客もする
確かにやってる事は大したことないけど全部ロボットに出来るとはとても思えない
結局いつも判断するのは現場であって、折り合いをつけるのも現場なのだ
破綻しているルールを作ってる連中は知る由も無い